2015年10月27日火曜日

高円寺の賃貸併用住宅 温熱性能を試算


一昨日、高円寺の賃貸併用住宅の基本設計最終打合せを行いました。
今後2カ月かけて実施設計を作成し、来年2月初旬に工事を開始する予定です。

さて、一昨日の基本設計打合せでは、プランや仕様の最終確認だけでなく、温熱性能の計算結果も提出させてもらいました。プランの内容で計算した結果、外皮平均熱貫流率Ua値は0.49W/m2K、熱損失係数Q値は1.86W/m2K、冷房期平均日射熱取得率ηCA値は1.4、冷房期日射取得率μC値は0.041、暖房機平均日射熱取得率ηHA値は1.6、暖房機日射熱取得率μH値は0.046という結果です。
また一次エネルギー消費量算定プログラムによる結果は低炭素認定基準相当という結果となりました。

一般的な温熱レベルとしては十分な性能なのですが、上記の数値を見てみるとまだまだ足りない所があります。ひとつは熱損失係数Q値です。目標値1.5に対して試算結果は1.86とまだ目標に達していません。試算では換気方式を第三種換気で計算しているので、これを第一種熱交換型換気に変更することで1.6程度に向上します。あとは窓の個数や仕様を少し変更すれば目標達成できそうです。

難しいのは日射遮蔽と日射利用です。計画敷地は4方を建物に囲まれ、しかも敷地方位が40度程度傾いているため日射遮蔽と日射有効利用が難しいのです。その難しさが数値にも表れています。冷房期日射取得率はあと20%程度下げたい、さらに通風利用で換気回数を上げたい。暖房機の日射熱取得率は2倍くらいに向上したいところです。夏の性能を上げると冬の性能が低下する。冬の性能を上げると夏の性能が低下するということにつながります。建物方位を真南に向けられない建物はパッシブ利用という点でとても難しいのです。

実施設計では、窓の仕様選定や外部ブラインドの採用検討などをしながらパッシブ利用の最適な解決策を模索しながら図面を書いていくことになります。
【住環境性能+Design】 森建築設計

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