2015年6月26日金曜日

時代の要請~省エネ建築~


人間の健康と快適性、それと共に省エネは、調和のとれたあり方で統合されなければいけません。これは時代の要請です。そして設計事務所においてはさらにデザインをも統合させる必要があります。これが現代の建築家に求められる能力です。

それぞれを統合させる段階では、細かい部分において問題が生じるかもしれない、また技術的に可能なことが消費者にとってすべて良いわけではありません。全ての関係者にとって大切なことは、省エネコンセプトを巡って知恵を絞る際に、「はるかに度をこさないこと」です。依頼者の経済的に負担可能な範囲内において、方向性と可能性がいくつかあり、それぞれ価格面での比較を含めて全体構想を提示することが望ましいです。
複雑怪奇で、お金のかかるハイテクな解決は、むしろ負担に感じられる。目標は単純で、利用者にとって後追いできる解決であるべきなのです。

省エネとは。。。
熱損失の低減のみならず、地域の気候にふさわしい建築工法、良き建築地(配置)の選択、正しい住宅設備、太陽放射からの熱取得、太陽放射の遮断と通風利用、使用方法の説明によって達成されます。

例えば暖房エネルギー消費量は「外皮のU値によってほぼ決まる」とよく言われますがそれは事実ではありません。暖房エネルギー消費量を決める要素は数多くあるのです。そのうち主なものを挙げてみます。
 ・気候、環境からの影響
 ・建物の向き
 ・建物の形
 ・空間のゾーニング
 ・屋外部材と屋内部材の断熱性能と蓄熱性能
 ・熱橋
 ・建物の気密性
 ・換気
 ・暖房設備
 ・内部発熱
 ・熱取得量
 ・アクティブソーラーエネルギー

重要なのは建物の設計初期段階からこれらの要素のほとんどを考慮に入れて相互にマッチングさせることです。この設計初期段階でミスが起こると、それを後から手直しすることは不可能といっていいほど難しいのです。そのためには優れた設計者ないしは設計チームに依頼する必要があります。

上記のように、暖房エネルギー消費量の削減だけでも考慮すべき要素は数多くあります。冷房エネルギー消費量の削減、給湯エネルギー消費量の削減、家電消費量の削減、照明エネルギー消費量の削減など、それぞれにおいて考慮すべき要素が沢山あり、さらに人間の快適性と健康性、造形デザインと調和を図る必要があるのです。

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