2015年10月17日土曜日

高断熱の家と自然換気


昨晩は東急みなとみらい線の馬車道駅近くで建築相談の面談をいたしました。
断熱性能の高い住宅を建設したいという方からのご相談です。

私のセミナーなどで解説しているシートを利用して断熱性能と住環境性能の関係についてご説明いたしました。冬の断熱性能は室温、表面温度、健康性、経済性、省エネ性などと密接に関連しています。また冬に日射を取り入れて室温を上昇させることで暖房エネルギーを大幅に削減できます。春と秋の中間期は換気性能が特に重要です。そして夏季は日射遮蔽と換気性能が快適環境を作るうえで重要です。

夏季の日射取得の6割~7割は開口部(窓)から入ってきます。屋根面の断熱を強化している昨今の住宅では開口部からの日射侵入割合が8割にも達しています。ですので開口部からの日射を極力遮蔽することが夏を快適に過ごし冷房エネルギーも削減するうえでとても重要なのです。

私が常々言っているのは四季に合わせた性能に衣替えできる住宅にしましょうということです。冬季に必要な性能は断熱と日射取得です。春と秋に必要なのは自然換気性能です。冬季に必要なのは日射遮蔽性能と自然換気性能です。このように考えると高断熱性能が必要なのは冬季だけ、一年のなかで4割です。それに対し自然換気性能が重要な季節は春~夏~秋の3シーズンで一年のなかで6割です。夏季は日射遮蔽を確実に行い自然換気と調湿性能のある仕上げ素材、さらに蓄熱性能を組み合わせることで一夏で冷房を稼働させる日数は10日~15日程度に減少できます。
【住環境性能+Design】 森建築設計

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