2016年6月22日水曜日

小笠原の木造住宅事情


小笠原は日本で最もシロアリ被害の大きい地域だと言われれいます。本種関東のヤマトシロアリとは違う種類のイエシロアリが多く生息し、アメリカカンザイシロアリも入ってきているとの情報もある島です。ヤマトシロアリは水分の多い木材しか食べませんが、イエシロアリは自ら水分を運んで乾燥している木材も食べてしまうのです。そんなイエシロアリが小笠原の6月に大繁殖して大群となって飛び回ることになるのです。

6月中旬に小笠原へ行った時に、街路灯や自動販売機の光に吸い寄せられるように飛び回る光景に遭遇しました。その下には何匹ものカエルが待ち構えていて地面に落ちてきたシロアリを捕食しています。島の人に聞くとシロアリを捕食する動物がほとんどいないので数が減らないそうです。いくらカエルの数が増えても空飛ぶシロアリを食べることはできません。

小笠原での建築事情は第一にシロアリ対策、第二に予算調整の難しさです。予算調整の難しさについては話すことが沢山ありますので別の機会にしましょう。

小笠原で建築物を建築するなら鉄筋コンクリートが最も安心です。次に鉄骨、最後に木造という選択になります。一般住宅で鉄筋コンクリートや鉄骨造の住宅を作るのは予算調整の難しさからとても大変なので木造住宅を建設することが多いです。最近(ここ5年程)小笠原で木造住宅を建てる方は柱梁に防腐防蟻注入(マイトレックACQ)した材を使うことが多いようです。環境を汚染することにはなりますが致し方ないということでしょう。上記防腐防蟻注入した材を使った住宅ではシロアリ被害は出ていないようです。ですが実績は5年しかないのでまだ油断はできません。島の人は敵的に防蟻処理を行えるように基礎を高くして床下に人が入りやすくするような構造にしています。現在建設中の小笠原ペンション計画では、マイトレックACQ注入材と天竜TS材を現場ホウ酸処理する方法で見積を取得中す。さて、どちらにするか、今週中に決定しなければいけません。
【住環境性能+Design】 森建築設計

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