逗子市で建築中の「本の家」の工事は断熱工事に入っています。今日は1階床の断熱と気密についてお話しします。
写真は今回初めて採用した断熱敷き詰め工法です。ってそんな工法は聞いたことはないでしょう。床下からの隙間風とヒートブリッジを防ぐために私が考えた断熱化工法です。
新築の場合は土台の上に厚合板を敷き込んで一定の通気性能が出るのですがリフォームの場合は床の不陸調整もあり床根太で高さ調整をしながら下地を作ることになります。すると土台と下地合板の間に隙間が生まれ床下の隙間風が流入しやすくなってしまいます。また一般的な根太間に断熱材を嵌めこむ工法では根太と断熱材の隙間が生じてヒートブリッジが大きくなるという欠点があります。隙間風の流入とヒートブリッジにより断熱材を厚くしても床際の温度が下がり不快な状況が生まれてしまうのです。
そこで考えたのが「断熱材敷き詰め工法」です。高さ調整をした根太の上に下地合板を張り。その上に透湿防水シートを敷き詰め、さらに厚さ65mmの断熱材を隙間なく敷き詰めました。断熱材の上の合板は外張り断熱用のビスで固定することで床の沈み込みを防いでいます。この工法では重い設備や荷物が乗る床は沈んでしまうので部分的に根太を入れて沈み込みを防止しました。
もう一つ、壁の中に流入する床下からの通気止めも重要です。
断熱や気密の概念があまりなかった昔の住宅は壁のコンセントプレートを外すと風がピューピューと吹き込んでいるのが分かりました。これは床下の風が壁に流れ込んでいることが原因で、結果として壁の表面温度が下がり結露やカビの原因にもなってきました。ですので壁の中に流入する空気の通気止がとても重要なのです。
上の写真は壁の下に断熱材を詰め込んで気密シートで覆い、柱際を気密テープ張りしてもらったものです。
同様の作業を外周部の壁下にも行ってもらうことで床下からの空気の流入を防げるのです。断熱材を気密シートを外側にして折りたただものを詰め込む方法もあります。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
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