2016年12月8日木曜日
本の家 家を明るく暖かく照らす陽ざし
久しぶりに「本の家」に関する情報です。
逗子市で建設中の「本の家」は本の保管の為にマンションを1室借りるほどの多くの本を所蔵されている建て主様の住宅です。ほぼ無断熱のような状態でカビにも悩まされてきたことから断熱性能と換気性能を高め、2階南面窓からの陽ざしで家全体を暖める工夫を凝らした住宅です。
現場の状況はサッシと外壁下地板の設置が完了し、いま付加断熱の外張り断熱材を敷設しているところです。内部は構造体が露わになった状態で、2階の南面する大きな窓から差し込む陽ざしがとても美しい光の筋が1階まで達していました。いつも感じる事ですが、木造軸組み住宅の仕上げ前の状態はとても力強く美しい!!
さて「本の家」の計画についてもう少しご説明しましょう。写真左側の1階が玄関ホール兼ダイニングスペース、その真上の2階が大きなホール(洗濯物干場)になっていて、ホール真南面にある大きなサッシから陽ざしを取り込み、半透明の床を通してその光が1階を照らしてくれるという計画です。半透明の床は光は通しますが熱は通さないので当然2階だけ室温が上がってきます。2階の暖まった空気をファンで1階へ送風して1階も温めるという設備的な計画により、1階と2階の温度差を平均化します。夏季と中間期に重要な換気量は計算で必要量を確保できるよう計算で確認しています。壁面窓だけでは不足する換気をトップライトを1ヶ所設置しました。
計画敷地は東側に山があり冬の朝日は入りません。昨日現場へ行ったのは午前10時、設計時に検討したとおり真冬でも朝10時から直射光が入射することも確認できました。この陽ざしが午後3時まで家を明るく暖かく照らしてくれます。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
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