インスペクションという言葉をご存知でしょうか?
直訳すると視察、検査、点検という意味です。
インスペクションのなかで住宅を検査することをホームインスペクションと呼びます。
日本ホームインスペクターズ協会では次のように説明されていました。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。
さて、本題はここからです。
現在、中古住宅の売買で住宅の診断は必要ありません。
それが来年の4月から変わります。基本的に既存住宅状況調査技術者による診断書がないと売買できないことになります。国土交通省の告示により既存住宅状況調査技術者になれるるのは建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)だけに限ると明記されたため、現在日本全国で技術省講習会が行われています。私も先日受講してきました。
来年4月からは中古住宅の売主または買主が依頼した調査技術者による診断書が必要になることを覚えておいてください。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
2017年6月22日木曜日
2年間浴室に放置した割り箸のカビ実験
木の材種によってカビの発生量に差はあるのか?
そんな疑問から始めた実験の結果を紹介します。
写真は2年間浴室に放置した割り箸です。
一番上の割り箸は天竜T.Sという森林組合の杉で作った割り箸。下2本は我が家にあった普通の割り箸。
結果は一目瞭然、天竜T.Sの杉割り箸は底面はカビが発生していましたが3面は綺麗なままです。
それに対し下2本の割り箸は4面にカビがびっしりと根付いています。
今回の実験で分かったのは、「木の材種によりカビの発生量に大きな差がある!!」ということです。
カビの発生量がとても少なかった天竜T.Sの杉割り箸は、栄養分の少ない時期に伐採(新月伐採)して葉枯らし乾燥させた天然乾燥材です。
カビが発生し難いというだけでなくシロアリ被害も少ないという特徴があります。
竣工してしまうと見えなくなってしまうかもしれませんが、このような確かな材料を使いたいものです。
http://moriken.p1.bindsite.jp/principle/macocoro.html
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
2017年6月21日水曜日
断熱性能と室内環境の関係
昨日、神奈川県建築士会 建築環境部会主催のショールーム体験見学へ行ってきました。
私は冒頭の挨拶で、建築環境部会の活動を10分ほど紹介させていただきました。
訪れたのは品川にあるYKK体験型ショールームです。パッシブハウスジャパン主催の見学会で一度見学したことがあるので私自身は2度目の体験見学になります。
このショールムの特徴は窓の性能を自分の感覚で体験できることです。窓単体の断熱性能、日射遮蔽性能、遮音性能などをずらりと並んだ性能の違う10種類以上のサッシで体験できます。さらに、昭和55年基準からパッシブハウス基準まで5段階の性能の違う部屋を体験できる「断熱効果の体感ROOMゾーン」は窓だけでなく家全体の性能を考える上で貴重な体験ができるのです。
このようなショールームは一時に10人ほどの人が部屋に入ることになり実際の生活環境とは微妙な差が生じるのですが、それでも性能を違いをはっきりと感じることができます。昨日の体験時の温度や表面温度などを列記してみましょう。
Ua値0.8(平成25年基準):室温度21.4℃、上下温度差2.0℃、床表面温度16.2℃、廊下室温度11.9℃
Ua値0.56(HEAT20Ⅰ):室温度21.9℃、上下温度差1.4℃、床表面温度17.9℃、廊下室温度13.9℃
Ua値0.51(HEAT20Ⅱ):室温度22.8℃、上下温度差1.4℃、床表面温度19.5℃、廊下室温度16.9℃
Ua値0.19(パッシブ基準):室温度22.6℃、上下温度差0.9℃、床表面温度19.6℃、廊下室温度19.2℃
Ua値0.8(平成25年基準)は2020年に義務化されるといわれている最低基準です。この基準ROOMを体感してみると、かなり寒いということがよく分かります。体験ROOMの環境を体験してみると私自身は最低でもUa値0.51(HEAT20グレードⅡ)性能が必要と感じます。この感想は前回体験した時と同じでした。森建築設計では現在標準仕様でUa値0.45程度(換算Q値1.70程度)で性能設定しています。ここまで性能を上げれば廊下の室温が15℃以下になることはほとんどありません。
最後に、室内環境を考える時に断熱性能だけでなく、日射取得性能・日射遮蔽性能、換気性能も計算で確かめながら設計しなくてはいけないことを言っておきます。断熱性能は冬の窓を閉じた状態の快適度を知る指標にすぎません。日射取得性能は暖房消費エネルギーに影響し、日射遮蔽性能と換気性能は中間期から夏季の快適度と冷房消費エネルギーに大きく影響を与えるのです。断熱性能だけに特化することなくバランスの取れた設計をしなくてはいけません。その為には換気性能まで計算で確かめることが特に重要なのです。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
2017年6月17日土曜日
パナソニック藤沢ショールームで建築相談会
今日はパナソニック藤沢ショールームで建築家相談会の相談員として相談をお受けしています。
パナソニックでは全国のショールームで無料相談会を行っているのです。私も相談員として月1回ほどのペースで相談をお受けしています。
建築家相談会というと敷居が高いようで、今年度から「リフォーム・新築なんでも相談」という名称になりましたが、こちらの藤沢ショールームではまだ建築家相談会という立て札を使っていました。
本日、まだ相談に空きがあるようですのでお近くで相談希望の方がいらっしゃいましたら午後にでもご来場ください。
また7月15日(土)にも同じ藤沢ショールームで相談会を予定しておりますので建築に関する相談をお持ちの方はパナソニック藤沢ショールームからご予約をお願いいたします!!
相談内容はリフォーム、新築、賃貸住宅、二世帯住宅、工事費、予算、助成金、デザイン、インテリア、家具選定、断熱気密、光熱費、耐用年数、とにかく建築に関わることなら何でも結構です。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
2017年6月15日木曜日
2017年6月9日金曜日
シェアハウスの施設改善の「しくみ」
東京都大田区北千束の女性向けシェアハウス、「ガーデンサロン北千束」の第一回サロンを開催しました。
このシェアハウスは私が設計監理し今年3月に完成したものです。そして私が副代表を務める感共建築ラボで運営に関わっているのです。
といっても何のことか分かりませんよね。「サロン」ってなーに?
「感共建築ラボ」ってなーに?
「感共建築ラボ」は建物単体だけではなく周辺環境の改善と人間が本来持っている潜在的な力を復元することで得られる真に豊かな環境の創造を目指す建築家グループです。具体的には、独自の快適指標の開発・地域の活性化が可能なリノベ事業、周辺コミュニティーの活性化が可能なシェアハウス事業などを行っています。
「サロン」はシェアハウス完成後に入居者と運営者が集い意見交換を行う場です。シェアハウスをより快適で暮らしやすいものに改善していくために行っている運営業務の一つです。
ガーデンサロン北千束の完成後初めて開催したサロンでは、初回ということで入居後の感想をお聞きして、備品消耗品などで不便なことはないかなどの聞き取りをしました。設計監理して終わりではなく、設計者自身が入居されている方々の生の声を直接聞いて施設改善まで関わるという全国でもあまり例のない取り組みだと思います。
日射遮蔽や通気など少しの工夫で環境改善できる方法をお伝えしたり、備品消耗品などの要求度の高さを知る事ができました。直接お会いしてお話を聞くことの大切さを再認識いたしました。今後オーナー様とも協議して必要な備品消耗品の用意など進めていくことになります。
このようなサロンを年間3回ほど開催して施設改善につなげていくというシェアハウス運営の「しくみ」がスタートしたのです。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
このシェアハウスは私が設計監理し今年3月に完成したものです。そして私が副代表を務める感共建築ラボで運営に関わっているのです。
といっても何のことか分かりませんよね。「サロン」ってなーに?
「感共建築ラボ」ってなーに?
「感共建築ラボ」は建物単体だけではなく周辺環境の改善と人間が本来持っている潜在的な力を復元することで得られる真に豊かな環境の創造を目指す建築家グループです。具体的には、独自の快適指標の開発・地域の活性化が可能なリノベ事業、周辺コミュニティーの活性化が可能なシェアハウス事業などを行っています。
「サロン」はシェアハウス完成後に入居者と運営者が集い意見交換を行う場です。シェアハウスをより快適で暮らしやすいものに改善していくために行っている運営業務の一つです。
ガーデンサロン北千束の完成後初めて開催したサロンでは、初回ということで入居後の感想をお聞きして、備品消耗品などで不便なことはないかなどの聞き取りをしました。設計監理して終わりではなく、設計者自身が入居されている方々の生の声を直接聞いて施設改善まで関わるという全国でもあまり例のない取り組みだと思います。
日射遮蔽や通気など少しの工夫で環境改善できる方法をお伝えしたり、備品消耗品などの要求度の高さを知る事ができました。直接お会いしてお話を聞くことの大切さを再認識いたしました。今後オーナー様とも協議して必要な備品消耗品の用意など進めていくことになります。
このようなサロンを年間3回ほど開催して施設改善につなげていくというシェアハウス運営の「しくみ」がスタートしたのです。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】
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