2009年4月11日土曜日

ペアガラス


最近はペアガラスが一般的になり、断熱環境も改善されてきました。最近完成した賃貸住宅(辻堂太平台計画)では、標準仕様として全ての窓にペアガラスを採用しましたが、不動産屋と施工業者から全ての窓にペアを使っている賃貸住宅は珍しいと言われてしまいました。私の考え方では全ての窓をペアガラスにするか、まったく採用しないかのどちらかしかありません。断熱材もそうですが、1箇所でも手を抜くと、その場所から集中的に熱が逃げたり結露が集中してしますと感じています。


ペアガラスの断熱性能は1枚ガラスの約2倍あり、空気層の厚みの違いでA6~A12など数種類、空気層部分にガスを注入したもの、空気層を真空にしたものなど、普通のペアに比べて倍近くの断熱性能がある製品も発売されています。


一般の方に憶えておいてもらいたいのは、ペアガラスは必ず枠とのセットで考えないと意味が無いということです。普通のアルミサッシにペアガラスを入れただけでは、ガラス部分の結露は無くてもアルミ枠部分に多量の結露が発生してしまいます。木枠や樹脂枠を使うか、熱遮断構造を組み込んだアルミ枠を使ったほうがよいでしょう。それともう一つ、ペアガラスの防音性能は1枚ガラスと変わりません。


ペアガラスは冷気の侵入を和らげ、住人の体に優しい室内環境を作る上で必要な製品だと感じてます。最終的には、室外・室内環境や求める防犯性能によって選択すべき仕様は変わりますので、専門家の方から十分話を聞いてから判断してください。


一級建築士事務所 森建築設計 

2009年4月7日火曜日

結露


結露は以外に恐ろしいものです。クロスにカビが発生したり、フローリングが腐ったり。目に見える被害だけでなく壁の中で結露して構造体が腐るなどの被害がでることもあります。私が経験したものでは、他の方の設計したRC造一部鉄骨造の住宅で雨漏りが発生しているということで調査をしたところ、壁の中にある構造体の鉄骨に結露して、雨漏りのように多量の水分が溜まっていました。
結露を防ぐ方法は一般的に様々紹介されています。ストーブにヤカンは乗せない、空気を流通させる、ペアガラスを使う等の生活習慣、防湿層を施工して壁内結露を防ぐ等の建築工事関係等、ネットで調べればすぐ検索できます。

上記は一般的な知識としてお持ちの方も多いと思いますが、私はあまり知られていない方法も加えて結露対策しています。一点目は室温を下げる事、二点目は結露し難い吸湿性のある仕上げ材を選定する事、三点目は壁内を無くし下地現しとする事の3点です。

室温を下げると飽和水蒸気量が減って結露しやすくなると思うかもしれませんが逆です。ガラス面などとの温度差で結露が発生するので、室温を下げたほうが有利です。さらに壁内結露対策にも有効。壁内結露対策としては究極的には壁内を無くし、全て室内側から目に見える構造にした物件もあります。(辻堂太平台計画)構造体や雨漏り・結露があっても全て室内から見えるので安心です。

一級建築士事務所 森建築設計 
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