2017年7月13日木曜日

建築環境部会で古民家調査


昨日は神奈川県建築士会 建築環境部会の日本民家園調査に行ってきました。昔の民家はどのような環境で生活していたのか、内外温湿度や表面温度、風速などを測定するという調査活動です。

古民家は土間や土壁など蓄熱性の高い仕上げと庇による日射遮蔽効果で夏は過ごしやすい作りになっているのが特徴です。昨日訪れた日本民家園の家屋でも窓を開け放っていれば通風効果もありエアコンなど必要ない室内環境となっていました。土間や土壁の表面温度も測定してきましたが、今日は茅葺屋根の効果を紹介します。写真は茅葺屋根の内外表面温度を測定したものです。外部表面温度43.6℃に対し内部表面温度は28.6℃でした。室内サーモ写真の上部が橙色になっているのは直前まで囲炉裏に陽を入れていたことによる影響と思われます。

このような古民家で実際に生活していた時代は今よりも夏の平均気温が低く、建物の密集度も低いので十分な通風効果を得られました。おろらく夏は無理なく生活できたのでしょう。最高気温35℃で建物が密集している現在の都市型住宅で同じような効果を得ることはできませんが、自然エネルギーを有効活用した建築設計に活かしいくヒントを感じた調査結果でした。
【太陽と風と人の五感に素直な建築 森建築設計】

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