2015年7月7日火曜日

木造住宅の構造釘


日経ケンプラッツに木造住宅の構造釘について記事がありました。一般の方でも現場を見れば確認できる木ポイントをお伝えします。

木造住宅の構造壁や水平構面に使用する釘は太さと長さ、釘間隔が定められています。一般的なものとしては構造壁ではN50釘、間隔150ミリ。水平構面はN75釘、間隔150ミリ。細かな規定は使用する構造用合板などの種類によって変わるのでその都度確認が必要です。

今日お伝えしたいのは釘の種類。木造住宅で使うクギにはNクギ、CNクギ、NCクギなど複数あり、名称が紛らわしいです。Nクギは在来軸組工法の構造部用、CNクギは2×4工法の構造部用で、どちらもJISに適合する。NCクギは造作や木下地、梱包などに使う釘です。同じ長さで比較すると釘の太さはCN>N>NCの順に細くなります。N釘よりCN釘の方が太いので、在来木造住宅の構造釘としてはN釘とCN釘の使用は認められていますがNC釘は認められていません。構造壁や水平構面にNC釘が使われていたら施工ミスになります。

これを防ぐには、1、図面で釘の種類を明示する、2、工事が始まる前に監督さんや職人さんに釘の種類を説明する、3、現場で施工されている釘種類を確認する、以上でミスを防ぐことができます。私は写真のように現場に搬入された釘箱を写真撮影して、さらに釘頭に刻印された釘種類を確認しています。

細かな話(構造的には大きな話)ですが、構造釘を深く打ち込んでしまうと構造耐力が著しく低下します。構造用合板への沈み込み許容範囲は1ミリです。工事前に釘打ち機の圧力を調整して釘が深く沈みこまないように指示すること、もし沈み込んでいる釘があったら両サイドに釘を増し打ちしてもらうとよいでしょう。
日経ケンプラッツの元記事:
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20150702/705209/?P=1
【住環境性能+Design】 森建築設計

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